自律神経について
私たちは生命を維持するために、起きてる時も、寝てる時も自律神経が働いて全身をコントロールしています。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。体外からの刺激に対して無意識に体内環境を調整し、呼吸・体温・血圧・心拍・消化・発汗などさまざまな働きをコントロールしています。私たちが意識しなくても呼吸をしたり、口から取り入れた物を消化したり、暑い時に汗をかいて体温を調整しているのは、自律神経の働きによるものです。
交感神経は日中や身体の活動時に活発になる神経です。心臓の働きを高めて血流の流れを促進させて拍動や血圧、体温を高めます。仕事や運動する時にパフォーマンスを高めることができます。
副交感神経は夜や安静時に活発になる神経です。心臓の働きを緩やかにして拍動や血圧、体温を下げて身体の緊張をやわらげようとします。寝ることによって疲労回復の効果を高めることができます。
1つの器官に対して相反する働きを行い、状況に応じてどちらかの働きを強めることでそれぞれの臓器や器官を自動的に調整して、シーソーのようにバランスを保っています。その切り替えのバランスが崩れると、さまざまな身体の不調が現れるのです。
呼吸について
人が生きる為にやめる事ができないこと…それは呼吸です。
息を吸うことで酸素を取り込んでエネルギーを作り、息を吐くことで老廃物である二酸化炭素を排出します。
医学的に大人の場合、1分間に平均12回〜20回の呼吸をしていると言われています。
健康を保つ為にも呼吸の質が重要になりますが、呼吸について意識される方は少ないのではないでしょうか。
周りからは理解されにくい不調
頭痛がする…息が吸いにくい…疲れやすい…夜眠れない…からだがダルい…みぞおちが痛くて病院で検査したけど異常が無かった…など不調がありながらも病院では診断がつかず当院に来院される患者さんは多く、ほとんどの方が“呼吸が浅い”状態で回復力が低下しています。近年このような症状が増えているのは、パソコン作業やスマートフォンの使用頻度が増えたことがきっかけで姿勢が悪くなったり、目を酷使している生活環境が背景にあります。
呼吸が浅い事で交感神経の優位性が上がり、睡眠の質が低下したり・緊張しやすくなることで疲れやすくなったりなど周囲からは判断しにくい不調が現れやすくなります。
特に季節の変わり目は温度変化に適応できずに不調に陥りやすいです。
梅雨や夏は気温と湿度が高くなることで自然と体温が上昇します。体内では熱がこもるので放出する為に、汗をかいて熱を逃がしています。他にも水を飲んだり、冷たい物を食べる頻度が増えると思います。しかし、冷たい物を摂取し過ぎると胃腸の調子まで崩してしまう恐れもあります。
ここ近年は、夏に猛暑日(1日の最高気温が35度以上の日)が続き暑さをしのぐために氷や濡れたタオル、冷却グッズを利用する機会が増えたのではないでしょうか。
これらの対策で体表面上は熱を逃がすことはできます。しかし気温より体温の方が高い場合、体内の熱を逃すのに呼吸の質にも目を向けていく必要があります。そこで重要になるのが呼吸の要になる横隔膜です。
横隔膜とは
実際のところ横隔膜について、あまり知らない方も多いのではないでしょうか。しゃっくりをする時に“横隔膜が痙攣している”と聞いた事がある程度だと思います。
横隔膜は胴体のほぼ真ん中(みぞおち)にドーム状の形をしており、胸腔(肺や心臓の位置)と腹腔(胃や肝臓など消化管の位置)を分ける様に位置します。
呼吸時、特に息を吸う時に横隔膜がしっかり働くことで胸腔が広がります。すると肺が膨らみ酸素が入ってくる仕組みになっています。
呼吸が浅い方はこの横隔膜の動きが低下している状態です。
そうなると酸素を取り込む事が出来なくなるので脳が酸素不足になってしまい、思考能力が円滑に働かず考え方もネガティブになりやすく結果的に負のループに陥りやすくなります。
当院では独自の施術によって横隔膜の動きを良くし、且つ生活習慣を整えることで呼吸の質を向上させることができます。不調から抜け出し、物事の考え方や捉え方も前向きになれるよう当院では多くの臨床データから、1人1人に合った適切なサポートをして行くことが可能です。